2013/03/30
この日、都心に出たので、また東京国立博物館に行って来ました。
ちょうどお花見真っ盛りの上野の山…ですけれど、寒いのなんの。お花見なんかする人の気がしれない。ってくらいの陽気です。ものすごい人出でしたけど。

面白いのは、上野のお山一帯は、いつもどおりアジア各地からの観光客がいっぱい。でも、博物館に入ると様子は変わり外人は白人ばかり。
多分、来場者の3分の1ぐらいは白人です。(大げさか?) しかもフランス語を話す人が多い。だいたいは同国人らしきガイドに連れられてのグループ行動だ。
※ 何年か前にも同じような感想を書いているから、状況は変わらないみたい。

今回の狙いは特別展「飛騨の円空 ー千光寺とその周辺の足跡」
円空の仏像は好きで、年賀状のネタなどに、さんざん使わせてもらってるんだけど、じつは見たことはあんまりないんです。
それを、ドーンと100体も並べられたんだから、見ないわけにいきません。
会場は、本館階段裏。時々特別展に使う、ちょっと狭い会場。ゆったりしたところを使って欲しかったな。
見たかった仏像がずらずら並んで、もう大変。
鉈で荒々しく切り込んだ、あたたかい仏たち。
単純化されたフォルムは、ストレートに響いてきます。
そんな仏像が、愛知、岐阜と東北、北海道のごく限られた地域に大量に残されています。
今回はそのごく一部が展示されました。広くない会場には、これでも圧倒的な物量です。
「円空」を全然知らないという人も、一度見てみてください。
会場を出て、ふと東洋館を見ると、今日は入り口にバリケードがありません。
あれ? 建物に入っていく人もいます。

東洋館はいつのまにかリニューアル工事がすんで、開館していたのでした。
前に閉館したのは2009年だから3年と少しの間、閉館していたことになります。
1階ホール正面には、昔もあった大きな石造の「菩薩立像」が安置されています。

東日本大震災の2週間ほど前に、この石仏を特設の修復作業所で見せていただきました、
石材の劣化のため、「次、大きな地震があったら、もう持ちこたえられない」という判断で、耐震補強処理が行われていた石像です。ほぼ作業は終わりという時でした。タッチの差で、崩壊の危機を逃れたようです。
以前は特別展スペースであった地下が東南アジア・インド美術の展示室とミュージアムシアターになっています。
同じく大震災の年、カンボジアで見てきたアンコールワットの石造美術が、ここにも収蔵されているはずと、寄ってみました。
ありました。遺跡の中心近くにあったバイヨン寺院の石仏と建材の一部が。

こうやって博物館の中に展示されると、まったく受ける感じが異なります.
石造遺物でなくて、素晴らしい美術品です。

東南アジアの展示スペースの横には、以前東博の事務棟にあった「ミュージアムシアター」が引っ越してきています。
この時は『新・ミュージアムシアター オープン記念作品「アンコール遺跡バイヨン寺院 尊顔の記憶」』というバーチャル映像を公開していました。今回から有料公開になったようです。

これは上の仏像の安置されていた巨大な寺院のCG再現映像です。極めて分かりやすい映像でした。
今年も、庭園ではお花見企画が行われていました。

風がビュービュー吹く中で屋台の「カフェラテ」を飲みながら花見をして来ました。寒いので長居する人はいません。

僕もさっさと歩きまわって出て来ました。
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